おのぼり音楽紀行

ヴァイオリンと共にフランスに滞在。ゆるりと日々のこと、思ったことを書き記します。

l’incontro

お題「私の師匠」

 

音楽を学ぶ上において、先生は一番大事な出会いだと思っています。

 

私はこれまで多くの先生にお世話になりました。

マスタークラスを混みで考えると、両手両足だけではもう数え切れません。

どの先生も私の人生に影響があったと思っています。

 

でも中でも影響力の大きかった恩師は、大学時代の先生。

彼女は少し風変わりな人で、こてっこての関西弁を話し、所謂先生らしくない、とても気さくな人でした。

彼女自身、当時あまり先生としてのキャリアはなかった人で、いい意味で、メソッドに則った教え方をする人ではなく、生徒一人一人を見抜いて、いつも実験的な教え方をする人でした。

音楽の楽しさ、奥深さ、向き合い方、そういったものを初めて教えて、見せてくれた人でした。 

そして今離れてみて、先生の教え子への愛の深さを感じるようになりました。

見返りを求めず、時々そっと教え子の将来を気にかけてくださった愛こそが、今の私にとっては大きな灯のように感じます。

 

あと、もう一人思い出す先生。

副科でお世話になったビオラの先生です。

ろくなレッスンもしてくれず、技術的なことは何も教えてくれなかった(と私は思ってる)先生で、ほとんど胡散臭い言葉をレッスン中に投げかけてくる方だったのですが、だいぶ時間が経った今、そんな胡散臭い言葉もなかなか深いなぁと時々思うのです。

実際それを狙っていたみたいですし。 

というのも「僕のレッスンは点滴みたいな特効薬とちゃうねん、漢方薬みたいなんやつやねん、だからじわじわっと後で効いてくるはずやから」と言ってたんです。

めっちゃ胡散臭いでしょ?笑

でも、本当に漢方薬みたいなレッスンをする別の先生にその後出会ったりもして、いろんな先生のあり方があるんだなぁと思わせられたりしました。

 

今思いだしたのが、確かこの先生はイタリアに留学なさっていた方。

なんだか今のイタリア人の先生と共通するものがありすぎて、イタリアの持つ胡散臭さの力に納得です。

 

人との出会いは人生の主な柱だと思っています。

先生も含めて、友人や仲間との出会いはこれからも私の財産です。

 

un incontro> degli incontri :出会い

incontro a: 〜に向かって、向かいに

incontrare qlcu: 〜と出会う、偶然会う