おのぼり音楽紀行

ヴァイオリンと共にフランスに滞在。ゆるりと日々のこと、思ったことを書き記します。

魅惑のチョコレートケーキ Le gâteau séduisant au chocolat

はたまた料理の話。

ピエールエルメで働いたことのある友人から、ピエールエルメのガトーショコラのレシピたるものを教えてもらったので、作ってみた。

 

レシピは普通にネットでものっていたので、ぜひ作って見てほしい。

作り方はめっちゃシンプルで簡単。

macaro-ni.jp

 

最近年をとったなとしみじみ思うのが、料理一つを思い浮かべただけで、どこかで誰かと食べた美味しかった記憶や、誰かが作ってくれた味と思い出が思い浮かぶことだ。

 

音楽の場合は辛い思い出が若干よみがえる時もあるが、料理は基本幸せな思い出だけなのでデブ活にさらなる拍車がかかる。

 

私のなかでチョコレートケーキで一番に思い浮かぶのは、ある講習会で食べたチョコレートケーキだ。

その講習会というのは、私はかなりの頻度で参加したのだが、毎度同じシェフが料理の腕をふるってくれるのが目玉でもあった。

彼は豪快な美味しいフレンチの家庭料理を幾度となく振舞ってくれたのだが、中でも彼の作るチョコレートケーキは彼の十八番でもあり、最も美味しいデザートであった。

そのチョコレートケーキを食べた人は皆そのケーキの虜になる、まさに魅惑のケーキであった。

講習会に特別講師として来てくれていた、確実に美味しいものをたくさん食べて来たに違いないミュヘンフィルのコンマスという大物ゲストですらも、おかわりをおねだりし「僕はこのケーキを食べにまたこの講習会に来るよ」と言ってたのを覚えている。

 

レシピは秘伝で教えてはくれなかったが、どうやらレシピ通り作ってもだめらしいということで、もう一度食べたければまた講習会に参加するしかないということであった。

豪快で、気難しくて、でもめちゃくちゃ優しい彼が作り出すから美味しかったのだろうか、それとも講習会場の雰囲気がより一層美味しく感じさせていてくれたのか、といろいろ要因はあるだろうが、あのチョコレートケーキの味だけはずっと覚えていたいものである。