おのぼり音楽紀行

ヴァイオリンと共にフランスに滞在。ゆるりと日々のこと、思ったことを書き記します。

6ヶ月ぶりのコンサート 

先日、実に昨年の9月以来、ほぼ6ヶ月ぶりに観客の前で弾く機会を得られた。

フランスは今でも11月以来コンサートホールや劇場は閉じられたままで、アーティストにとって生命線でもある「人前でパフォーマンスをする」という行為自体がほぼ不可能になってしまっている。

ではなぜ先日私は人前で弾くことができたかというと、教会のミサに音楽を組み込むというミサコンサートに出させてもらえたからである。

フランスでは最初に外出禁止令が出されたころ、ミサで人が集まった際にクラスターが大量に起きてしまったこともあり、宗教関連での集会は全て禁じられた。

がしかし、最近は「集会はできるだけ控えてほしい」という言い方に収まっているので、判断は各教会の牧師に委ねられている。

おかげさまでミサコンサートが無事行われたという次第だ。

 

弾いたものはペルゴレージのスターバト・マーテルである。

You Tubeにも載せていただいたので、時間があればぜひご覧いただきたい。

youtu.be

 

ありがたいことにミサコンサートは大盛況で幕を閉じた。

6ヶ月ぶりに生の観客からの反応を直接感じられたことは、予想外に私の心を強く打ち、改めて演奏会を行うことへの幸せをかみしめた。

同時に人々が音楽にやはり飢えているのだとも思えた出来事だった。

新型コロナによる影響で、今文化大国であるフランスでも、芸術文化がないがしろにされてしまっている。

仕方がないというのは分かる一方で、家の中で過ごす時間が増えた今、その時間を豊かにしてくれているのは、やはり芸術文化であるということを忘れては欲しくないというのが、私の思いである。