次へと
森悠子先生のことを思い浮かべると、先生の少ししゃがれた声が今でもはっきり思い出せます。
思えば、15歳の時に先生に出会えた桜の季節、ちょうど20年前の今ごろ、そこから私の音楽人生が始まりました。
京都フランス音楽アカデミーでの弦楽合奏が先生との出会いでした。
先生の教えてくださる音楽の全てが新鮮でわくわくして、本当に楽しい2週間でした。
同時に飲み込みの悪い私はすぐに先生の言いたいことを体現できなくて、とてももどかしくて悔しかったことも覚えています。
その頃よく「あなたの笑顔を見ると元気が出るわ」と、当時まだ歯に矯正器具をつけて笑う私を見て言ってくださりましたね。
そこから時間をかけて、 先生からはたくさんのことを学んだのですが、私の中で意外と活かされてることは、集団生活での振る舞い方です。
楽器だけをやってきた日本の子たちて結構お嬢様お坊ちゃまで、料理をほとんどしたこともないし、 お皿を出したりとかそういうこともほとんどしたことない子たちばかり。
そんな何にもできない私たちはよく叱られました。
素晴らしいヴァイオリンの先生でしたが、同時に人の生き方を教えてくれました。
訃報から日が経つにつれ、先生から教わったことを他の方たちに、私たちが教える番が来たのかなと思い始めました。
それが一番の恩返しに繋がると信じて。
訃報
前日に発覚した歯のブリッジの不備を直してもらいに歯医者に駆け込み、治療は無事に終わり、家に帰りホッと胸を撫で下ろしていた頃でした。
恩師の訃報。
メインでついていた先生ではなかったけど、彼女と出会わなかったら、ヴァイオリン続けていなかったかもしれない。
音楽の楽しさ、そして音楽家としてやっていくための大事な習慣や物の考え方、たくさんのことを教えてもらった。
やっと独り立ちできましたよ、て報告したら良かったなぁ。
バロックヴァイオリンでご飯を食べていけているのは、間違いなく先生のおかげ。
フランスに住んでいるのも先生の影響。
空の上で昔の同僚たちと再会を楽しんでいるかな。
フランス人の負けない気持ち
新年あけましておめでとうございます。
再スタート
時は早いもので、この9月でヨーロッパ生活12年を終えました。
干支一回り。
私の姪は、私がパリに来て直後に生まれたので、彼女ももう12歳かと感慨深いです。
しかもパリに戻ってきてからも、あっという間に2年が経ちました。
時の早さてびゅんびゅん加速していくて本当ですね。
そして私は6月で長い長い学生生活を人生の中で一旦終えました。
一昨年くらいから、仕事と学生の二足のわらじの生活だったけど、学生を終えた生活が始まると、なんとも不思議なものです。
よくある人生では就職して、バッサリと生活が変わるのでだろうけど、フリーランス生活の私はニュルリと社会人デビューをしたので歯切れの悪い駆け出しであります。
両親に感謝のお花を贈るタイミングも逃しました。
これは言い訳かな。
フリーランスなので、今後も自分からお仕事を取りにいかねばならないので、私の武者修行はこれからも続くわけですけども。
学校というものに良くも悪くも追われて暮らしてきた私としては枠がなくなって、「これが大人のメンタルてやつか、 みんなすごいな」と社会で働いている皆様への賛辞を10年以上遅れて送っている今日このごろです。
お仕事くださる皆様に心から感謝しつつ、 昨日の自分に誇れる自分でいれるように、これからさらに頑張ります。
visa
今ローマからパリに移動中の飛行機でこれを書いています。
パリは最近真冬の季節に入り、 マイナスの気温に入るようになりましたが、 ローマは偶然にも最高気温が20度の日があり、 太陽をいっぱい浴びて、素晴らしい文化に触れ、 元気いっぱいになりました。
しかし、 改めてローマは過去の遺跡がゴロゴロと眠っている街に今も首都を 置いてるので、こりゃ大変だなぁて思いました。
地下鉄も首都なのに、3本(メインは2本)しか走ってないし、 交通網がかなり不便です。
私は出身が奈良なので、 遺跡による不便さみたいなものをよくよく知っていますが、 奈良に今の時代も首都を置いたら…とゾッとしました。
それでもローマが素晴らしい街なことには変わりないのですが。
ところで、最近ようやくVisa を学生ビザからpasseport talentビザに変更できました。
いわゆる技術職にあたる人がこれにあたり、音楽家もそのうちのひとつとしてvisaを得られます。
フランスに受け入れてもらえたという感覚は、小躍りするぐらいに嬉しかったです。
いろいろと忘れてしまう前にどのような手続きだったのか書いておこうと思います。
コロナによる影響で数少ない有り難いことの一つに、 visaの申請も最近は全てオンラインでできるようになりました。
なので、 書類は全てオンラインでアップして申請で済みました。
以前はあげられない原本の書類もあったりするので、 原本とは別に、 渡すためのコピーを用意しなくてはなりませんでした。
けれど、 オンラインならオンラインで、 アップできるファイルの容量が小さすぎて、 pdfの圧縮と結合をアホほど繰り返して気が狂いそうになりまし た。
そういえば、フランスに初めて来たときにもvisa の手続きでした、キャンパスフランスのサイトでのアップできるファ イルの容量が小さすぎてイライラしたなぁと思い出しましたが、「あれ、それて10年も前の話…」 てなったのはここだけの話。
ちなみにこちらが私が提出したものです。
1.フランスでの過去の仕事の契約書全て
2. 銀行の3ヶ月の残高証明書
3. フランスで今後予定されている演奏会の契約書と、その一覧リスト
4. 自分の先生や、主に働いている団体の推薦状
5.過去のディプロム全て
6.CV
後から、過去の税金の申告書とか出さないとだめだったかも?! て思いましたが、 私は提出せずとも何も言われず無事終わりました。
最近はオンラインのおかげか、わりと審査も早くて、 足りない書類があった場合もわりとすぐに言ってくれるそうです。
なので、 とりあえずビザの申請はとにかくトライしてみるのが良いと思います。
次回はフランスのフリーランスの失業手当制度というものについて 書こうかなと思います。
帰国なのか遠征なのか
7月中旬頃までついに夏が来たとばかりに暑かったのに、 その後もう夏はおしまいと言わんばかりにすっかり涼しくなってし まった。
連日20度前後である。
涼しいだけならまだしも連日雨なので( スコールみたいな雨が降る)、 パリの人々の足元はサンダルからすっかりスニーカーになってしまっている。
去年は今年と打って変わって大変暑かったために、 雨戸を閉めきり(こちらは日差しがきついために、 できるだけ家の中を涼しく保つためには雨戸を閉める)、 薄暗い家の中で、 猫はタイルの床の上で死んだように体を冷やしているのを横目に、 論文を書くためにパソコンと向き合っていたのも、 遠い遠い夏の記憶である。
2年ぶりの日本に2日後に帰るのだが、 実家近くの天気予報をチェックすると当然連日35度超え。
日本はクーラーがあると分かりつつも、 私の体はついていくのだろうかと不安だけが付き纏う。
そして、久しぶりの日本は私の目にどう映るのだろうか。
とてもありがたいことに、 8月はほぼ毎週末違うコンサートをさせて頂きます。
特に8月末から9月の上旬まではマラソンとなります。
私の体力持ってくれよ〜と既に今から念じています。なむなむ。
お近くにいらっしゃる方はお気軽に足を運んで頂けますと幸いです 。
📅2023/8/13 開演13:30
薔薇の会@秋篠音楽堂(奈良)
📅2023/8/18 開演18:30
夜明け前 vol.3
ベートーヴェン・弦楽四重奏の調べ@山本能楽堂(大阪)
📅2023/8/26 開演14:00
弦楽四重奏への道@Art Hall Timbre(奈良)
📅2023/8/27 開演13:30
弦楽四重奏への道@La Campanella(大阪)
📅2023/8/29-9/3 完売
ラ・フォンテーヌの物語@maenonagaya(奈良)
ヴァイオリン二挺の旅@ ei(奈良)
📅2023/9/6
第一部 開演16:00完売
第二部 開演18:00 残席あり
ラ・フォンテーヌの動物寓話集@8代葵カフェ市川店(千葉)
📅2023/9/8
ヴァイオリン2挺の旅@福生(東京)
📅2023/9/9
第一部 開演12:00
第二部 開演15:30
ヴァイオリン二挺の旅@オアシス妙典(千葉)
📅2023/9/10
第一部 開演11:00
ラ・フォンテーヌの動物寓話集@JIKE STUDIO(神奈川)
第二部 開演14:30
ヴァイオリン2挺の旅@JIKE STUDIO(神奈川)
追悼
大学生時代にお世話になった先生のうちの一人が亡くなった。
とても急だったみたいだし、 連絡を取るような関係でも私は無かったので後悔は何もないけど、 先生との思い出を振り返る。
先生は生徒たちと実に距離の近い先生で、 本当に良い仲間という感じであった。
しかし、先生も人間、 先生には明らかにお気に入りの子たちがいて、 お気に入りの子の中に入られなかった私は蚊帳の外みたいなものを 感じたので、まぁいいやて思ったし、 私と先生との関係はその程度で終わった。
先生の書いた曲は必ず誰かのことを思って書いた曲で、 ある時その思われた演者が誰一人いなかったときに私はトップとして弾かねばならず、とても歯がゆい思いをした記憶がある。
楽譜から先生の意図を読み取ろうしたが、 そうではなかったらしい。
残念ながら、 そこから作り上げるほどの力は私にはなく、 ごめんなさいという感じで終わった。
その後先生との交流は一切なかった。
そんなわけで私は他の生徒たちほど、 先生からたくさんのことを学びはしなかったけど、 先生がしつこくしつこく言ってた台詞が何個かあって、 それを思い出す。
人の心というのは、脳でも心臓にあるわけでもない、 人と人と間にあるんだ。音楽も同じだ。
みんないつかは自分の名前を額に掲げて、やっていく日が来るんだ。
ロマンチックで熱かった先生。
「頼んだぜ!」 ていつもの決め台詞を言ってるような気がするので、 もう少し頑張りたいと思う。
本当にお疲れ様でした。
企画
とても幸いなことに、友人から彼女のお店で弾いて欲しいと前から言ってもらっていたので、今度の夏の私の一時帰国に合わせて是非とお願いした。
友人のお店は長屋のオープンなスペースで、これがなかなか心地良い場所なのである。
そんなコンサートホールでもない、素敵なスペースで弾けることは私にとっては嬉しさでしかないし、そんな特別な空間で何をしようかなぁと色々と想像を膨らませ、相談した結果、子供たちへのコンサートもしようと思い立った。
ちなみに正直なところ昔は、子供たちへのコンサートにあまり興味がなかったのだが、ヨーロッパでは子供に向けたコンサートというものが結構あって、それもなかなか良いクオリティで見ていくうちにこりゃいいなと思うようになったタイプである。
(しかもヨーロッパの子供はノリも良くて、なかなか可愛い。)
そんなわけで自分ができる限りの知恵と力と使って、せっせと企画に勤しんでいる最近である。
色々と想像することは楽しくて、具体的に形にできるのは喜びである。
私は昔から調べ物をするのが好きで、今回の企画にあたっても、せっせと調べ物をして時間があっという間に過ぎてしまう。
ヴァイオリンを弾くこと以外にも自分の好きなことができるのは、なんともありがたい話である。
また具体的に企画がまとまった際にはご報告致します。
ではまた。