マーラーの本番、なんとか終わりました。
危ない場所もありましたが、練習の時よりもうまくいった本番でした。
日本人て「練習の時にできないものが本番でできるわけがない」みたいなところがあると思うのですが、こちらにはそういう発想はないように感じます。
「本番で最高の状態を持って行くための、練習」という感じ。
そこまで奥深いことをこちらの子と話したことはまだありませんが、一度聞いてみたいものです。
こちらの人は練習で見せてこなかったすごいものが、突然本番で出てくるので、むしろ本番で何かやらかしがちな私は、最初の頃本当にびっくりしました。
音楽は船に乗るようなもの。
練習では舵取りの練習をし、本番では思うままにオールで漕ぐ。
今はむしろこちらのそんなやり方の練習の方が好きです。
だって本番て何か違うもの。
練習の時には絶対舞い降りてこないものが、降りて来たりするのです。
音楽はいつかは終わってしまう、儚い芸術。
でも瞬間芸術だからこその、録音では分からないライブでの良さがあるのだと思います。
一瞬一瞬のきらめきを最も感じられる瞬間は、音楽を聴いてる時なのではないでしょうか。
Un momento:瞬間
momentaneo:瞬間的な