おのぼり音楽紀行

ヴァイオリンと共にフランスに滞在。ゆるりと日々のこと、思ったことを書き記します。

土地の場所によって考え方も変わる  Nous subissons l'influence du milieu

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留学と一括りにしても、その留学自体がどのようなものになるかは実に多種多様だと思う。

 

以前私は4年フランス、パリで過ごした後、ベルギーに1年滞在した。

パリでの4年目の生活は私にとって、間違いなく最も寂しい1年だった。

というのも同時期から日本から来ていた留学仲間は全員完全帰国ないし、違う土地に行ってしまい、前年までついていた先生との関係はあまり良好ともいえず、しかもその年のクラスの門下生はなんと私一人だった。

先生は素晴らしかったが、新しい仲間もできず、孤独を実感することが多かった。

 

翌年私は新天地を決め、ベルギー、ゲントに移住した。

いつかビザ申請のことを国ごとに比較したいと思うが、ベルギー大使館での申請の段階から感じがとても良かったので、意気揚々とベルギーに移住したのを覚えている。

結果、私にとってベルギーでの暮らしは天国であった。

地方都市ゲントであったのも大きかっただろうが、何より安全で活気のある美しい街だったおかげで、生活は一変した。

 

慣れなければいけないと、必死で生きてきたストレスフルなパリでの生活が一瞬で消え去った。

「これ以上厄介ごとが増えてたまるものか」と常にスリから身を守ってきた日々とおさらばできたのだ。

(パリは本当にスリが多い)

美しい街中をゆっくり歩けて、毎日好きな格好でおしゃれができて、学校に行くと「やぁ、元気?」と声をかけてくれる友人がいることは些細なことのようで、本当に嬉しかった。

留学とは孤独な闘いという私の常識が崩れ去ることになる。

 

留学するのには、先生との出会いやきっかけが重要だと思うが、やはり環境も人を作るので、住む土地はよく考慮した方が良いというのが私の今の考えである。

当たり前か。笑