おのぼり音楽紀行

ヴァイオリンと共にフランスに滞在。ゆるりと日々のこと、思ったことを書き記します。

教育ママたち Les mères qui s'impliquent dans l'éducation de ses enfants

現在家族と住んでいるが故、家族の団欒に混ざるので、しばしば家族の思い出話を聞くことがある。

(時には他人の私が聞いていて良いのか、戸惑うような会話もあるが)

今では娘たちもすっかり成人していて大人だが、 どうやら皆相当やんちゃだったようだ。

ある時、家のお母さんが思い出の品として出して来たのが、たくさんの紙束だった。

それは子供達を叱った際に、紙に20回近く反省の文を繰り返し書かせたもので、例えば

「お母さんが怒っている時に押したりしません」(傑作)という文を子供の可愛い字で20回以上書かれていた。

そして昭和のような反省のさせ方に私は少し驚いた。

 

基本的に音楽家を育てた親は教育熱心であり、スパルタであることが多い。

特に小さい頃から音楽教育を始められるヴァイオリン、ピアノを習わせている親に関しては顕著だと思う。

特に音楽家でもない私の母親も例外ではなくその一人で、練習が大嫌いだった私はしょっちゅう母親と喧嘩をした。

 

そんな私の練習のモチベーションを支えてくれたのが、スーパーファミコンのゲーム、ドラゴンクエストだった。

我が家は基本的に、成功報酬を求めることが可能で「〜ができたら〜ができる、もしくは買ってもらえる」という、昨今では間違った教育法として有名な教育方針であった。

その1つがドラクエで、ヴァイオリンを練習した分だけ、ドラクエをさせてもらえるという約束があり、私はドラクエをしたさだけで時計とにらめっこして練習をしていた。

今思えば、絶対上達していないし、効率のよい練習方法とやらを考えるトレーニングにすらなっていなかったと思う。

 

しかし、ありがたいことに母のおかげで師との素晴らしい出会いもあり、私は音楽を続けられている。

今すっかり大人になった私たちは言う、「あの頃憎たらしかった親のおかげで、今まで続けてこられたよね」と。

次は私たちがその憎たらしい親と化してしまうのだろうか。